誰も言わない うつの本音

依存にならないうつの薬の使い方

西川敦子・フリーライター
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 「もしかしたらうつ病かもしれない。でも、病院で処方される薬には抵抗がある……」。そんなモヤモヤから精神科を受診できずにいる人も多いのではないだろうか。精神科で処方される薬に対する不安や疑問に、あいち熊木クリニック院長、熊木徹夫氏が答えてくれた。

 「依存性の高い薬を処方されるのが怖いから、精神科には行きたくない」という患者さんがいらっしゃいますが、これには二つの誤解があります。一つは、「精神科だから怖い」という誤解です。実際には、精神科医は他科の医師よりむしろ薬の依存性の問題を重く捉え、慎重に処方するようになっています。もう一つは、「薬は怖い」という誤解です。抗うつ剤、抗不安薬、睡眠薬をはじめとする向精神薬の中には、確かに依存性が問題になるものもあります。とはいえ、すべての薬がそうではありません。

 どんな薬が問題になりやすいのでしょうか。それをお話しする前に、少し自己紹介をさせていただきます。私は名古屋市郊外の「あいち熊木クリニック」という精神科医院で院長を務めています。「精神科のくすりを語ろう-患者から見た官能的評価ハンドブック」などの著書やブログで薬についての知識を発信し、患者さんと情報を共有することにも力を入れています。

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西川敦子

フリーライター

にしかわ・あつこ 1967年生まれ。鎌倉市出身。上智大学外国語学部卒業。釣り関連の編集プロダクション勤務、温泉仲居を経て、2001年から執筆活動。経済誌、新聞、人事関連雑誌などで、メンタルヘルスや家族問題、働き方をテーマに取材を続ける。著書に「ワーキングうつ」(ダイヤモンド社)など。