40代からのアクティブ体づくり講座

がんや心臓病にもリハビリは不可欠

萩野浩・鳥取大学教授
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 前回は、進む高齢化社会の中で、ますますニーズが高まるリハビリテーション(リハビリ)の役割や基本的なあり方について紹介しました。リハビリは、けがや病気などにより低下してしまった手足などの「運動機能を回復するトレーニング」と思われがちですが、それだけではありません。病気により内臓機能が衰え、日常生活に制限が出ることを内部障害といいますが、この内部障害を抱える患者さんにもリハビリが行われています。今回は、内部障害向けのリハビリの意義、心臓や呼吸器、がんなど、疾患の種類に応じた代表的なリハビリの方法について紹介します。

 「内部障害のリハビリ」と聞いて、「身体が動くのに、なぜリハビリをやる必要があるのだろうか」と疑問に思う人もいるでしょう。しかし、病気やけがの治療は「手術や薬によって病気のもとを断ち、症状がなくなった後は、放っておいてもいい」ということではないのです。

 病気やけがをして、手術する前後は、普段より体が弱っています。痛みがあるなどの理由から、体を動かさなくなりがちです。そして、動かさなくなった途端、全身の筋肉の拘縮(こうしゅく)が始まります。そのうちに全身の機能が衰え、本当に動けなくなり、寝たきりになってしまうのです。この状態を「廃用症候群」といいます。でも、手術をした後、可能になったらすぐに体を動かすことで、廃用症候群を防ぐことができます。これが…

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萩野浩

鳥取大学教授

はぎの・ひろし 1982年鳥取大学医学部卒業。同学部整形外科助手、講師、付属病院リハビリテーション部長などを経て現在、医学部保健学科教授(付属病院リハビリテーション部長兼務)。専門は骨粗しょう症、関節リウマチ、運動器リハビリテーション。特に骨粗しょう症治療の経験が深く、国際骨粗鬆(しょう)症財団(IOF)アジア太平洋地域代表、日本骨粗鬆症学会理事など要職を務める。保健師、看護師、臨床検査技師などを対象に骨粗しょう症診療のコーディネイター役「骨粗鬆症マネージャー」を養成する日本骨粗鬆症学会のレクチャーコースでは講師役も務める。著書に「骨粗鬆症治療薬の選択と使用法―骨折の連鎖を防ぐために」(南江堂)など。