脳と心の再生カンファレンス

「振り向き」で知るアルツハイマー病の徴候

工藤千秋・くどうちあき脳神経外科クリニック院長
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 アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は根本的に治すことはできませんが、症状を改善し、進行を緩やかにすることはできます。その効果は早く治療を始めるほど大きいので、できるだけ早く発見したいものです。今回は、比較的早期に日常生活に現れるサイン「振り向き徴候」を紹介します。

 日本は、世界でも類を見ない超高齢社会に入りました。高齢者の増加に伴って認知症になる人が増え、予備群を含めると850万人を超えると言われています。

 認知症にはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症などの種類があります。そのうち6~7割程度を占めるアルツハイマー型認知症は、残念ながらまだ根本的に治す方法がなく、現在は薬を使って症状を和らげ、進行を緩やかにしています。ですから、治療はできるだけ脳の障害が進行していない段階で始めて、その状態をなるべく長く維持したいのです。

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工藤千秋

くどうちあき脳神経外科クリニック院長

くどう・ちあき 1958年長野県下諏訪町生まれ。英国バーミンガム大学、労働福祉事業団東京労災病院脳神経外科、鹿児島市立病院脳疾患救命救急センターなどで脳神経外科を学ぶ。89年、東京労災病院脳神経外科に勤務。同科副部長を務める。01年、東京都大田区に「くどうちあき脳神経外科クリニック」を開院。脳神経外科専門医であるとともに、認知症、高次脳機能障害、パーキンソン病、痛みの治療に情熱を傾け、心に迫る医療を施すことを信条とする。 漢方薬処方にも精通し、日本アロマセラピー学会認定医でもある。著書に「エビデンスに基づく認知症 補完療法へのアプローチ」(ぱーそん書房)、「サプリが命を躍動させるとき あきらめない!その頭痛とかくれ貧血」(文芸社)、「脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング」(サンマーク出版)など。