がんをあきらめない 難敵に挑む医師・患者・家族

選択肢が増えた膵臓がんの薬物治療

福島安紀・医療ライター
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 進行が早く、発見されたときには手術ができず、完治が難しい状態であることが多い膵臓(すいぞう)がん。ここ数年、新たな薬の承認が相次ぎ、薬物治療の選択肢が増えており、ある程度の期間、治療を続けながら仕事や趣味を続けられる人が増えています。「手術で取り除くのは難しい」と言われたときの治療法について、新薬の開発にも取り組む国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科長の奥坂拓志さんにインタビューしました。

 --膵臓がんで手術ができない場合の治療法を教えてください。

 膵臓は、進行が早く、胃のように簡単に内視鏡が入れられないこともあって、7~8割の患者さんは手術ができない状態でがんが発見されます。手術ができない場合には、抗がん剤による治療が中心になります。膵臓がんは、長い間、抗がん剤の効果が出にくいがんでした。しかし、近年、膵臓がんに効果の高い抗がん剤が複数承認され、生存期間が延びたり症状が緩和されたりする患者さんが増えてきました。

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。