40代からのアクティブ体づくり講座

嚥下のリハビリでQOLを高める

萩野浩・鳥取大学教授
  • 文字
  • 印刷

リハビリテーションで「全人間的復権」【3】

 前回は、心臓病やがんなどの疾患によって内臓機能が衰え、日常生活に制限が出る内部障害のリハビリについて紹介しました。このほかに、食べ物をうまくのみ込めなくなる「摂食嚥下(えんげ)障害」の患者にもリハビリは行われています。摂食嚥下障害により誤って食べ物や唾液が気管に入り込む「誤嚥」をすると肺炎の原因になります。肺炎は、日本人の死因別死亡数において、がん、心疾患に次ぐ3位です(注)。高齢者では、その多くが誤嚥によるものです。また、肺炎以外に低栄養や脱水を招くこともあり、高齢者や病気治療後のQOL(生活の質)を高めるために摂食嚥下障害のリハビリは重要です。

 脳卒中や脳梗塞(こうそく)などの脳の疾患、喉頭や咽頭(いんとう)のがん、高齢によって、食べ物をのみ…

この記事は有料記事です。

残り2244文字(全文2593文字)

萩野浩

鳥取大学教授

はぎの・ひろし 1982年鳥取大学医学部卒業。同学部整形外科助手、講師、付属病院リハビリテーション部長などを経て現在、医学部保健学科教授(付属病院リハビリテーション部長兼務)。専門は骨粗しょう症、関節リウマチ、運動器リハビリテーション。特に骨粗しょう症治療の経験が深く、国際骨粗鬆(しょう)症財団(IOF)アジア太平洋地域代表、日本骨粗鬆症学会理事など要職を務める。保健師、看護師、臨床検査技師などを対象に骨粗しょう症診療のコーディネイター役「骨粗鬆症マネージャー」を養成する日本骨粗鬆症学会のレクチャーコースでは講師役も務める。著書に「骨粗鬆症治療薬の選択と使用法―骨折の連鎖を防ぐために」(南江堂)など。