医療プレミア特集

ノロウイルス 家庭での2次感染を防ぐ!

鈴木敬子・毎日新聞 医療プレミア編集部
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一般的な住宅を模した会場で、母親たちにキッチン周りでの感染症対策について説明する済生会横浜市東部病院の十河剛医師(左)=東京都千代田区で2016年11月28日、鈴木敬子撮影
一般的な住宅を模した会場で、母親たちにキッチン周りでの感染症対策について説明する済生会横浜市東部病院の十河剛医師(左)=東京都千代田区で2016年11月28日、鈴木敬子撮影

 インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が流行している。国立感染症研究所によると、全国約3000カ所の小児科から報告された感染性胃腸炎の患者数は11月28日から12月4日の1週間で5万4876人となり、昨年同期の約3倍になっている。このうち3~5割はノロウイルスが原因とみられるという。感染症は予防すると同時に、もしかかってしまった場合には家庭内での2次感染を防ぐことも重要だ。東京都内で11月下旬、小児科医が幼い子どもをもつ母親に対し、主にノロウイルスの感染対策について解説するセミナーが開かれた。そこで説明された、感染リスクの高いキッチン周りとトイレにおける予防法と、かかってしまったときの対処法を報告する。

 セミナーでは、済生会横浜市東部病院(横浜市鶴見区)小児肝臓消化器科の十河(そごう)剛医師が、住宅を模した会場で母親たちに説明した。十河医師は最初に、多くの母親たちが実践している手洗い、うがいについて「手洗いは指や爪の間もしっかり洗うことが大切。うがいに関して言うと、特にインフルエンザウイルスは高温多湿の環境を嫌うので、喉を加湿するとウイルスが増殖しにくくなる。うがい薬を使う必要はなく、水でこまめにうがいをして、喉を乾燥しないようにしてあげるのが大事」と話した。

 まず、キッチン周りに潜む感染経路とその対策だ。ノロウイルスは特に二枚貝が感染の原因になりやすく、手指や食品などを介して経口で広がる。ウイルスは貝の中にいるため、食品の中心部が85~90℃になる状態で90秒以上しっかりと加熱し、ウイルスを死滅させる必要がある。また、家族だと大皿に盛りつけられた料理をじか箸で取ることもあるだろうが、これも家庭内感染のリスクになる。感染者の唾液の中にはたくさんのウイルスがいるため、取り箸やトングなどを使って取り分けてから食べるのがいい。ただし、感染者が取り箸に触れると、それを介して感染することもあるため、感染者には取り箸などを触らせないのが基本だという。洗った後の食器を出したままにして乾燥させることもあるが、これも注意が必要だ。十河医師は「特にノロウイルスは乾燥すると空気中に舞い上がり、感染源になる可能性がある。出したままにしたときは使う前に食器を水洗いしてほしい。家の中に感染者がいる場合は、そこまで気をつける必要がある」と呼…

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鈴木敬子

毎日新聞 医療プレミア編集部

すずき・けいこ 1984年茨城県生まれ。法政大卒。2007年毎日新聞社入社。岐阜支局、水戸支局、横浜・川崎支局を経て、15年5月からデジタルメディア局。