脳と心の再生カンファレンス

若年性認知症と「もの忘れ」の違いは?

工藤千秋・くどうちあき脳神経外科クリニック院長
  • 文字
  • 印刷

 近年、高齢化の進展とともに認知症患者が増加していることはもはや周知のことになりつつあります。その中で最近では64歳以下の非高齢者での若年性認知症も徐々に注目されるようになってきました。中年期に入り、「もの忘れ」が増えてきたと不安になっている方に、若年性認知症を早期発見するポイントを紹介します。

50歳前後に多い若年性認知症

 厚生労働省が2009年に公表した調査結果(注1)では、若年性認知症の推計有病率は人口10万人当たり47.6人、全国での推計総患者数は3万7800人です。患者数は決して多いとは言えませんが、推定発症年齢平均は51歳と活動性の高い年代のため、発症した場合の影響はご本人だけでなく、ご家族も含めて極めて大きいと言えるでしょう。ちなみに男性の方が女性に比べ患者数が多い傾向であることが分かっています。

 高齢者の認知症にはいくつかのタイプがあることが知られていますが、同調査の結果では、若年性認知症で最…

この記事は有料記事です。

残り2134文字(全文2543文字)

   

ご登録日から1カ月間は100円

いますぐ登録して続きを読む

または

登録済みの方はこちら

工藤千秋

くどうちあき脳神経外科クリニック院長

くどう・ちあき 1958年長野県下諏訪町生まれ。英国バーミンガム大学、労働福祉事業団東京労災病院脳神経外科、鹿児島市立病院脳疾患救命救急センターなどで脳神経外科を学ぶ。89年、東京労災病院脳神経外科に勤務。同科副部長を務める。01年、東京都大田区に「くどうちあき脳神経外科クリニック」を開院。脳神経外科専門医であるとともに、認知症、高次脳機能障害、パーキンソン病、痛みの治療に情熱を傾け、心に迫る医療を施すことを信条とする。 漢方薬処方にも精通し、日本アロマセラピー学会認定医でもある。著書に「エビデンスに基づく認知症 補完療法へのアプローチ」(ぱーそん書房)、「サプリが命を躍動させるとき あきらめない!その頭痛とかくれ貧血」(文芸社)、「脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング」(サンマーク出版)など。