寒い時期に起こりやすいのが、お風呂での突然死です。とくに高齢者がお風呂で意識を失い、亡くなるケースが最近も報道されていました。「注意をしましょう」というのはもちろんなのですが、なぜお風呂で突然死が起きるのか、その原因を探ってみましょう。

冬場に増える日本の入浴中突然死

 東京都内におけるお風呂での高齢者死亡事故の件数が、2015年に報告されています。09年から11年にかけて報告された総数3289人のお風呂に関連した死亡者のうち、解剖を実施した550人のケースを検討しています。そのほとんどが60歳以上の高齢者で、435人(79.1%)がおぼれて水を飲んでいることが認められました。また300人(54.5%)は、循環器系の疾患が死亡に大きな関係があることが突き止められ、さらに250人(45.5%)では心臓病変が認められました。

 冬に高齢者に起こる入浴中の死亡事故は、他の(海や川などで起きる)溺水とはかなり異なります。つまり溺…

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奥井識仁

よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック院長

おくい・ひさひと 1999年東京大学大学院修了(医学博士)後、渡米し、ハーバード大学ブリガム&ウイメンズ病院にて、女性泌尿器科の手術を習得する。女性泌尿器科とは、英語でUrogynecology。“Uro”は泌尿器科、“Gynecology”は婦人科を意味し、“Urogynecology”で、両科の中間にあたる部門という意味がある。都内の複数の大学病院から専門領域の診療に関する相談を受けながら、「よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック」を運営し、年間約800件の日帰り手術を行っている。水泳、マラソン、トライアスロンなどのスポーツ、音楽(サックス演奏)が趣味で、さまざまなスポーツ大会にドクターとして参加している。著書に「人生を変える15分早歩き」「ドクター奥井と走るランニングのススメ」(いずれもベースボールマガジン社)など。