病気が逃げ出すサプリ指南

頭寒足熱は誤り?冷え解消で万病予防

丁宗鐵・日本薬科大学学長
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 手足が冷たくて眠れない。頭痛、肩こり、脚のむくみ……。冬の不調は、「冷え」が根底にあることが少なくありません。冷えは女性に多い症状ですが、最近では、男性や子供、高齢者にも増えています。直接、命に関わることがないため、軽く考えていると隠れた病気が進行することがあります。冷えは万病のもとです。冷え対策は、早めに始めることが肝心です。

 幅広い年代に冷えが増えているのは、まず生活環境の変化があるでしょう。昔と比べて体を動かさなくなり、人々の筋肉量が減っているようです。女性の場合は、ホルモンのバランスを崩しやすいことも要因ですが、ダイエットや不規則な食生活によって、摂取エネルギーの不足による栄養不良や鉄分の不足から貧血を起こす人もいます。環境の変化に加えて、普段の生活習慣が冷えを生み出す誘因となっています。

 冷えが長く続くと、肌荒れや便秘、月経痛、関節の病気などの原因になります。また、進行した糖尿病の患者さんがよく訴える症状が冷えです。糖尿病は、血糖値が高い状態が続くことによって、全身の血管がしだいに侵される病気です。血管の中をスムーズに流れるはずの血液が滞るようになると、手足の先まで届きにくくなります。それが冷えという自覚症状となって表れます。糖尿病では、冷えが表れた時点ですでに進行していることが多く、注意が必要です。

 冷えを氷山に例えるなら、海の上に出ているほんの一部分と言えましょう。そして、その下にある大きな氷の塊部分に万病が隠れています。ですから、冷えを放っておくと大変なことが起こります。

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丁宗鐵

日本薬科大学学長

てい・むねてつ 1947年東京生まれ。医学博士。横浜市立大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科修了。79年から81年まで米国スローン・ケタリングがん研究所に客員研究員として留学。日本東洋医学会漢方専門医・指導医。北里大学・東洋医学総合研究所研究部門長、東京大学大学院客員教授、東京女子医科大学特任教授を経て現在、日本薬科大学学長、百済診療所院長。近年の著書に「丁先生、漢方って、おもしろいです。」(朝日新聞出版)、「病気がイヤがる暮し方 江戸式健康心得」(春秋社)、「ガンが逃げ出す漢方力」(ヴィレッジブックス)など。