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松方弘樹さんの命奪った「脳リンパ腫」とは

福島安紀・医療ライター
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 昭和の銀幕のスターであり、巨大なマグロを仕留める釣り師としての一面も印象的な俳優の松方弘樹さん(享年74)の命を奪った脳リンパ腫は、脳腫瘍の一種です。脳リンパ腫、そして脳腫瘍とは、どのような病気なのでしょうか。国立がん研究センター中央病院脳脊髄(せきずい)腫瘍科の大野誠さんに解説してもらいました。

 --「脳リンパ腫」というのは聞き慣れない病名ですが、どのような病気ですか?

 脳リンパ腫は脳腫瘍の一種ですが、正式には中枢神経系原発悪性リンパ腫といいます。実は、脳腫瘍は、組織学的に150種類に分類されます。脳腫瘍は0歳から高齢者までさまざまな年代に発生します。大人の脳腫瘍の種類と頻度はグラフの通りで、最も多いのが神経膠腫(こうしゅ=グリオーマ)、脳の悪性リンパ腫は5番目に多い原発性の脳腫瘍です。脳腫瘍には悪性のものと良性のものがあるのですが、脳リンパ腫は悪性腫瘍で、腫瘍…

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。