無難に生きる方法論

「違いが分かる」は幸せか?

石蔵文信・大阪大学招へい教授
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 100万円ほどの超高級ワインと5000円のテーブルワインの味の違いを芸能人が判別するというテレビ番組を、正月に何気なく見ていた。グルメで味覚が鋭いと思われている芸能人でも結構間違うことがあるのだなと驚いた。その一方で、40回以上連続で当てている芸能人もいて、話題になっている。

 私は酒が飲めないのだが、友人と高級レストランで食事をする機会もある。ある時、「ワインのおいしい店」に誘われたが、友人とソムリエが相談した結果決めた高級ワインと、その前に頼んだ安めのハウスワインの違いがさっぱり分からない。値段を聞くとハウスワインの5倍以上するらしい。味の分かる友人同士はワイン談義で盛り上がるが、私は蚊帳の外。盛り上がった勢いで友人はさらに高級ワインを注文する。もとより酒が飲めないので3本目も味など分かるはずもない。そうこうするうちに高級ワインを数本あけて、終わってみれば支払いは割り勘である。ほとんど飲んでいない私としては釈然としないが、そういう店に行ったのだから、まあ仕方がないかとも思う。

 結婚記念日や誕生日などには、日ごろの感謝を表すために妻と高級レストランで食事をする。確かに厳選された高級食材で調理された料理はおいしくいただけるが、お酒と共に味わうことのない私には量が少なすぎる。デザートまで食べても満足感がないときは、帰りに近所のラーメン屋さんに寄ることもある。私の好みは比較的安いB級料理であるので、高級料理はコスパが悪いと感じてしまう。

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。