Dr.林のこころと脳と病と健康

ご近所トラブル、原因は病気?

林公一・精神科医
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絵=画家・絵師 OZ-尾頭-山口佳祐(http://oz-te.com)
絵=画家・絵師 OZ-尾頭-山口佳祐(http://oz-te.com)

あり得ないことを“確信”する「妄想性障害」という病【6】

 他人から被害を受けているという被害妄想が主症状となるのが、妄想性障害の「被害型」です。よくあるのは近所の人に対する妄想です。本人の家族、本人、近所の方の話を続けてご紹介します。

他人に迷惑をかけているかも--家族の話

 47歳の母は、1年くらい前から、マンションの上の階の人が嫌がらせをすると言い張っています。わざと物音を立てたり、うちの前まで来てドアをたたいたり、悪口を言いふらしたり、見張っていたりするというのです。確かに階上で多少の生活音はしますが、とても母の言う嫌がらせのような音は聞こえません。でも母は天井をたたいて音を出したりしてやり返すのです。そしてドアの周囲に2台の監視カメラをつけるとともに、ICレコーダーを使って階上の音?を録音し、それを聞いては「確かに嫌がらせをしている」と言っています。マンションの管理組合や警察にもそのレコーダーを持参して苦情を言っているようです。

 さらには毎日、事細かに何時何分にわざと音を立てられた、近所で自分の前や後をわざと歩いているなど手帳…

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林公一

精神科医

はやし・きみかず 精神科医、医学博士。著書に「統合失調症という事実」「擬態うつ病/新型うつ病」「名作マンガで精神医学」「虚言癖、嘘つきは病気か」など。ウェブサイト「Dr.林のこころと脳の相談室」は、読者からの質問に林医師が事実を回答するもので、明るい事実・暗い事実・希望の持てる事実・希望の持てない事実を問わず、直截に回答するスタイルを、約20年にわたり継続中。