患者と医師の会話

医師「あなたの虫垂炎の治療法には、薬と手術があります」

患者「薬にしたらどうなりますか?」

医師「入院せずに済みますが、再発する可能性があります」

患者「では、手術にしたらどうなりますか?」

医師「治療期間は短くて済みますが、まれに術後に合併症を起こす可能性があります」

患者「どちらも怖くなってきたわ……」

 健康・医療情報で、「○○って何?」というバックグラウンドの疑問が解決したら、次に直面するのが「○○すればどうなる?」というフォアグラウンドの疑問です。フォアグラウンドの疑問は、個別、具体的で、行動に結びつく疑問です。病気の予防や治療に直結する疑問ということもできます。

 多くの場合、患者がフォアグラウンドの疑問をぶつける前に、主治医が患者になり代わってフォアグラウンドの疑問を立て、それに対する最善の予測を得、それを基に治療方針を示してくれます。患者がその方針に従えば、あえてフォアグラウンドの疑問を意識することはありません。ですが、複数の治療法があり、どちらを選ぶこともできる場合には、患者自身がフォアグラウンドの疑問を意識することが重要になってきます。

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北澤京子

医療ジャーナリスト/京都薬科大学客員教授

きたざわ・きょうこ 医療ジャーナリスト、京都薬科大学客員教授。著書に「患者のための医療情報収集ガイド」(ちくま新書)、訳書に「病気の『数字』のウソを見抜く:医者に聞くべき10の質問」(日経BP社)、「過剰診断:健康診断があなたを病気にする」(筑摩書房)