あなたと家族へ 女性が学ぶがん情報

治療法は?妊娠は?卵巣がん最新知識

福島安紀・医療ライター
  • 文字
  • 印刷

 卵巣は、女性の生殖やホルモンの分泌に欠かせない大事な臓器だ。そこに発生する卵巣がんは、進行が早く、見つかった時には手遅れである場合も多い病気だ。自分や家族が、「卵巣がん」と診断された時のために知っておきたい卵巣がんの治療法について、JCHO(地域医療機能推進機構)相模野病院・婦人科腫瘍センター長の上坊(じょうぼう)敏子さんが解説する。

 卵巣はもともと親指の先ほどの小さな臓器だが、がんになると急に大きくなることが多い。卵巣がんと診断されると、卵巣や子宮、胃と大腸をつないでいる脂肪組織である大網(図上)やリンパ節、がんが転移している臓器や腹膜まで切除する大掛かりな手術が必要となる。

 「卵巣腫瘍の場合には、開腹して調べてみないと、本当にがんなのかどうか確実には分からない面があります。卵巣がんの疑いがある時には、開腹して腫瘍の組織を取り、手術中に、病理医が組織を顕微鏡で見る迅速病理組織検査を行います。そこで『悪性』、つまりがんだと診断された場合は、左右二つの卵巣と卵管、子宮、大網、後腹膜リンパ節(図下)を切除します。子宮を全部取る理由は、がん細胞がしばしば子宮に転移するからです…

この記事は有料記事です。

残り2440文字(全文2933文字)

福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。