今年の東京マラソンは、これまでとコースが異なります。新コースの特徴から、東京マラソンの走り方を大予想。ランドクター(東京マラソンではドクターランナーをこう呼ぶそうです)らが参加して、2月18日に行われた「東京マラソン2017医療救護研修会」の内容を踏まえつつ、これまでの連載を振り返りながら、安全に楽しく、しっかりいい記録で走れるノウハウを紹介します。初心者ランナー必見です。

 今年で11回を迎える東京マラソン。過去10年間の平均コンディションは、最低気温4.3度、最高気温11.5度。朝寒く、昼過ぎには暑くなります。昨年までは、スタート地点の東京都庁を出て、飯田橋-皇居前-日比谷-品川-銀座-日本橋-浅草雷門-築地-豊洲-東京ビッグサイトでゴールというコースでした。スタートからすぐに下り坂、その後品川までのビル街を経て、浅草まで日陰の道だったのです。

 このため、スタート直後に多いトラブルは、冷えからくるけいれんでした。下り坂で勢いがついて汗をかき、その後ビル街や日陰のコースで冷たい風に襲われるのがその原因です。脚のけいれんが最も多いのですが、中には冷えと疲労で心臓のトラブルが生じる危険なケースもありました。過去、レース中の心停止は7件起き、すべて救命されていますが、そのうち5件は15~25km地点で発生しています。時間にしてスタートから2~4…

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奥井識仁

よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック院長

おくい・ひさひと 1999年東京大学大学院修了(医学博士)後、渡米し、ハーバード大学ブリガム&ウイメンズ病院にて、女性泌尿器科の手術を習得する。女性泌尿器科とは、英語でUrogynecology。“Uro”は泌尿器科、“Gynecology”は婦人科を意味し、“Urogynecology”で、両科の中間にあたる部門という意味がある。都内の複数の大学病院から専門領域の診療に関する相談を受けながら、「よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック」を運営し、年間約800件の日帰り手術を行っている。水泳、マラソン、トライアスロンなどのスポーツ、音楽(サックス演奏)が趣味で、さまざまなスポーツ大会にドクターとして参加している。著書に「人生を変える15分早歩き」「ドクター奥井と走るランニングのススメ」(いずれもベースボールマガジン社)など。