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ピルをうまく使い卵巣がんリスク軽減

福島安紀・医療ライター
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 自覚症状が出にくく、気づいた時にはかなり進行しているケースが多いため、「サイレントキラー(無言の殺人者)」と呼ばれる卵巣がん。女性にとって大事な臓器を守るためにも、予防や早期発見はできないものだろうか。「卵巣の病気 月経の不調から卵巣がんまで」(講談社)などの著書がある産婦人科医、JCHO(地域医療推進機能機構)相模野病院・婦人科腫瘍センター長の上坊(じょうぼう)敏子さんにうかがった。

 「あまり知られていないようですが、卵巣がんの予防効果が科学的に証明されている方法があります」と上坊さんは話す。その方法とは、経口避妊薬として使われている低用量ピル(ピル)の服用だ。ピルには月経痛を緩和したり、月経量を減らしたりする効果もあるため、服用している女性が少なくないが、ピルの目に見えない効果が卵巣がんの予防なのだ。

 ピルを長期間服用している人ほど卵巣がんの発症率が低い--。英国の研究者のグループが、21カ国で実施された45の研究結果を総合的に解析した結果を2008年、英医学雑誌「ランセット」で報告した。報告によると、卵巣がんの発症リスクが、ピルの5年間服用によって約3割、10年間継続して服用すれば約4割、15年間継続で約5割減るというのだ。その効果は、服用をやめても20年間は持続するとされている。全世界で1…

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。