病気が逃げ出すサプリ指南

癒やしの香り 発祥はアラビア

丁宗鐵・日本薬科大学学長
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 インターネットで「アロマ」を検索すると、アロマオイル▽アロマディフューザー▽アロマセラピー▽アロママッサージ--など関連する用語がずらりと出てきます。それらの多くは、癒やしやくつろぎ、休養、気晴らしを意味するリラクゼーションと結びついて、体にとてもやさしい印象を受けます。しかし、アロマに使用する精油は、扱いに気をつけてほしい植物の成分です。体によいと思われているアロマセラピーも、一種の「民間療法」です。行ったり受けたりする際にはよく理解しておくことが大切です。

 アロマセラピーのアロマ(aroma)は「芳香」、セラピー(therapy)は「治療」を意味する英語です。「治療」は、法律で、医師以外の者が勝手に使用してはいけないことになっています。民間療法であるアロマセラピーで「治療する。治す」と言ったらそれこそ法律違反になります。厳密に言えば、このような問題があるわけですが、それにもかかわらず、アロマは広く利用されて生活の中に取り入れられています。これも香りがもつ魅力なのかもしれません。

 アロマセラピーは、ヨーロッパから日本に伝わりましたが、それ以前から長い歴史があります。古代エジプト時代には、香りを治療や装飾に使っていたという記録があります。また、アロマセラピーの基礎を作ったのは、もともとはアラビア人といわれています。植物の中からエッセンスとなる成分を初めて抽出したからです。

 話は少しそれますが、実はアルコールもアラビア人が抽出したものです。ワインをそのまま置いておくと発酵が進み、ワインビネガー(酢)になります。その前に蒸留し、アルコールが抽出できることを発見しました。ところが、蒸留酒を作る技術は開発したものの、飲酒はコーランの教えで禁止されています。そこで、この技術を使ってアラビア人が作ったものが香水でした。

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丁宗鐵

日本薬科大学学長

てい・むねてつ 1947年東京生まれ。医学博士。横浜市立大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科修了。79年から81年まで米国スローン・ケタリングがん研究所に客員研究員として留学。日本東洋医学会漢方専門医・指導医。北里大学・東洋医学総合研究所研究部門長、東京大学大学院客員教授、東京女子医科大学特任教授を経て現在、日本薬科大学学長、百済診療所院長。近年の著書に「丁先生、漢方って、おもしろいです。」(朝日新聞出版)、「病気がイヤがる暮し方 江戸式健康心得」(春秋社)、「ガンが逃げ出す漢方力」(ヴィレッジブックス)など。