漢方でつくる 心と体の健康歳時記

漢方薬併用が効く 花粉で悪化するぜんそく

加藤士郎・野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授
  • 文字
  • 印刷

 花粉症の時期になると、普段は落ち着いている気管支ぜんそくの症状が悪化する--。こんな悩みを抱えている人はいませんか? 近年、花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎が気管支ぜんそくの発症や悪化と深く関連することが明らかになってきました。二つの症状を抑え、快適に花粉シーズンを乗り切るための効果的な漢方治療について、紹介します。

 4月後半にはスギ花粉の飛散が落ち着きますが、その後もヒノキ、ブタクサ、カモガヤ、シラカバ、イネとアレルギーの原因となる花粉のシーズンが続きます。都市部ではコンクリートが多いため、花粉が吸収されずに繰り返し空気中に飛散し、花粉症が悪化しやすいともいわれています。また、中国から飛散するPM2.5の粒子に花粉がくっつき、空気中にとどまりやすくなっていることも都市部で悪化しやすい要因という指摘もあります。

 花粉症がつらいのは、なんといっても鼻づまりや鼻水など、鼻の症状です。実はこれら鼻の症状が気管支ぜんそくの発症や悪化にもつながることがわかってきました。実際、気管支ぜんそく患者の7~8割がアレルギー性鼻炎を合併していること、花粉症のシーズンになると気管支ぜんそくが悪化する患者さんが多いことがわかっています。

この記事は有料記事です。

残り2219文字(全文2735文字)

加藤士郎

野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授

かとう・しろう 1982年獨協医科大学卒後、同大第1内科(現心臓・血管内科)入局。88年、同大第1内科大学院卒。第1内科講師、宇都宮東病院副院長などを経て、09年野木病院副院長、筑波大学非常勤講師。同年、筑波大学付属病院総合診療科に漢方外来開設。10年筑波大学付属病院臨床教授。筑波大学付属病院で漢方外来に従事するととともに、主に学生、研修医を対象に漢方の教育活動を行っている。編著に「臨床力をアップする漢方ー西洋医学と東洋医学のW専門医が指南!」(中山書店)。医学博士、日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医など。