実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

やせられない… それは抗菌薬が原因かも

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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抗菌薬の過剰使用を考える【9】

 前回は、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患が、抗菌薬の使い過ぎが原因で生じている可能性について述べ、「Tレグ(制御性T細胞)」という免疫を抑制する細胞についても解説しました。

 今回は「抗菌薬の使用が肥満を招く」という話です。そして、これを示すには難しい細胞の話を持ち出す必要はありません。とても簡単に証明することができます。それは「家畜」です。当連載の「薬剤耐性菌を生む意外な三つの現場」の回で述べたように、牛、豚、鶏などの家畜の餌に、少量の抗菌薬を混ぜると家畜の体重が増加し、成長が速くなるのです。

 以前の回でも説明したように、欧州連合(EU)では、薬剤耐性菌を生み出すリスクを避けるために、既に成…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト