無難に生きる方法論

ストレスはやっぱり健康に悪い

石蔵文信・大阪大学招へい教授
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 精神的苦痛やストレスが健康に悪いくらい誰でも知っているが、ストレスを具体的に表現する方法が難しいので科学的なデータは案外少ない。最近、ストレスと健康に関連した論文が発表されたので紹介する。

精神的苦痛でがんが増える三つの理由

 まずはBMJ誌オンライン版に2017年1月25日掲載された、英国のG David Batty氏らによる精神的苦痛とがんの関係に関する研究を紹介しよう。1994~2008年に開始された16件の研究に参加した患者の中で、自身の報告による精神的苦痛スコアの記録がある16万3363例を解析の対象にしている。かなり大規模なデータではあるが、精神的苦痛に関しては自己申告である。平均約10年の調査期間中に1万6267例が死亡し、このうち4353例ががんで死亡した。

 解析の結果、精神的苦痛が軽度の群に比べ、苦痛が重度の群は、すべての部位のがん死亡率が高かった。精神…

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。