開眼!ヘルシーアイ講座

日常生活に潜むドライアイが起こる原因

戸田郁子・南青山アイクリニック院長
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 涙の分泌量の減少や、量は十分でも質の異常によって目の表面が乾き、さまざまな不快感をもたらすドライアイ。かつては50代以降に多い症状でしたが、最近はパソコンやスマートフォンの画面を見続けるなどの生活環境の変化に伴い、子どもから高齢者まで、どの年代でも起こりうる疾患になりました。ドライアイが生じるメカニズムと原因、治療法などについて、南青山アイクリニック(東京都)の戸田郁子院長に聞きました。3回にわたって紹介します。

 ドライアイを知るにはまず、涙の「構造」を知る必要があります。涙の役割は、目の一番外側にある透明な組織、角膜を保護することです。生物が海の中にしかいなかった頃には、その目に涙はありませんでした。生物が進化の過程で陸上に上がる時、角膜の透明性を守るために目の表面には「海」を保持する必要がありました。それが涙なのです。

 涙は単なる水分ではなく、目(角膜)の表面では3層構造になっています。一番外側、外気に接する側に薄い油の膜である「油層」、角膜に触れている一番内側に粘液性のたんぱく質である「ムチン層」があり、その中間に角膜に必要な酸素や栄養素、たんぱく質などを含む「涙液層(水層)」があります(図参照)。

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戸田郁子

南青山アイクリニック院長

とだ・いくこ 筑波大学卒業、東京慈恵会医科大学眼科、慶應義塾大学眼科学教室に入局。ハーバード大学眼研究所でドライアイの重症型であるシェーグレン症候群の基礎研究に従事した後、97年から南青山アイクリニック院長。専門はレーシックを含む屈折矯正手術。