Dr.林のこころと脳と病と健康

「あんたが盗んだ!」もの忘れと妄想の違い

林公一・精神科医
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妄想をめぐって【1】

 妄想が見られる病気の代表は統合失調症と妄想性障害ですが、ほかにもいろいろな病気で表れることがあります。その一つが認知症です。家族などに物を盗まれたというのが、認知症に見られる典型的な妄想の一つです。

同居の嫁を疑う

 70歳の義母に泥棒よばわりされてほとほと困り果てています。私たちは、義母、夫、私(嫁)、娘の4人家族です。

 義母は数年前からもの忘れが目立つようになりました。といっても、人の名前や物を置いた場所を忘れるなど…

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林公一

精神科医

はやし・きみかず 精神科医、医学博士。著書に「統合失調症という事実」「擬態うつ病/新型うつ病」「名作マンガで精神医学」「虚言癖、嘘つきは病気か」など。ウェブサイト「Dr.林のこころと脳の相談室」は、読者からの質問に林医師が事実を回答するもので、明るい事実・暗い事実・希望の持てる事実・希望の持てない事実を問わず、直截に回答するスタイルを、約20年にわたり継続中。