病気が逃げ出すサプリ指南

女性の更年期対策 サプリ使用のリスク

丁宗鐵・日本薬科大学学長
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 更年期は、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが急激に減少します。最近は、「女性ホルモンを増やす」効能があるとして売り出しているサプリメントや健康食品を利用して、更年期のさまざまな症状を緩和したいと思っている女性が多いようです。アンチエイジングに対する関心の高まりから、これらの食品は、しばしば美容や若返りを期待して使われていますが、効果がはっきりしないなどのリスクがありますので、使用する際には注意しましょう。

 更年期障害に良い成分として、よく知られている代表的なものは大豆イソフラボンではないでしょうか。主に、大豆の胚芽に含まれるポリフェノールの一種で、女性ホルモンのエストロゲンと分子構造がよく似ています。そのため、同じ働きがあるとされていますが、更年期障害の諸症状に対する研究では、効果を示す十分なデータがないようです。

 大豆イソフラボンは、大豆や大豆製品などに含まれ、これらを食事から摂取する場合は、安全とされています。ただし、サプリメントや健康食品の安全性や摂取量については、はっきりしていません。摂取しやすく加工された食品は、取り過ぎの心配があります。自己判断で利用する場合はその点に留意し、女性ホルモンに関わる病気の人は、摂取は避けた方がいいでしょう。

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丁宗鐵

日本薬科大学学長

てい・むねてつ 1947年東京生まれ。医学博士。横浜市立大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科修了。79年から81年まで米国スローン・ケタリングがん研究所に客員研究員として留学。日本東洋医学会漢方専門医・指導医。北里大学・東洋医学総合研究所研究部門長、東京大学大学院客員教授、東京女子医科大学特任教授を経て現在、日本薬科大学学長、百済診療所院長。近年の著書に「丁先生、漢方って、おもしろいです。」(朝日新聞出版)、「病気がイヤがる暮し方 江戸式健康心得」(春秋社)、「ガンが逃げ出す漢方力」(ヴィレッジブックス)など。