無難に生きる方法論

ついにバレた?!高齢医師の能力

石蔵文信・大阪大学招へい教授
  • 文字
  • 印刷

 「高齢者の定義を75歳以上にしよう」という提案が、日本老年学会と日本老年医学会からなされた。元気な高齢者はどんどん社会に貢献して日本を活性化しないと、大変なことになるようだ。「医師不足」と言われる中、我々医師もできるだけ働いて社会に貢献したいという気持ちは大いにある。

 しかし、医師の仕事はハードで年齢が上がるとかなりきつい。特に私の専門である循環器科は心筋梗塞(こうそく)や心不全の患者さんが昼夜の関係なく運び込まれ、当直でぐっすり寝られたという経験はほとんどない。かつては、そのような状態で当直が終わってそのまま日勤に突入することも当たり前だった。最近では当直明けに帰宅できる制度も整ってきたが、それでも外来や自分の入院患者さんを診察してからとなると、十分な休憩は取れない。

 心臓の血管治療などに使うカテーテルは年々進歩し、かなり細くなっている。負担が減るので患者さんには朗報だが、40歳代後半くらいから老眼が始まった医師には、細くなったカテーテルがよく見えないので難儀である。レントゲンに映るカテーテルの先端も見えにくいし、施術中は放射線を浴びるので体調も悪くなる。

この記事は有料記事です。

残り1051文字(全文1538文字)

石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。