医療プレミア特集

海外に行くなら知りたい病気のリスクと対策

鈴木敬子・毎日新聞 医療プレミア編集部
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 約1カ月後に迫った夏休みを前に、海外旅行や短期の語学留学を計画している人もいるだろう。法務省の出入国管理統計によると、日本人の海外出国者数は2000年代に入ってから例年1700万人前後で推移しており、毎年国民の約7人に1人が海外に行っていることになる。しかし海外、とりわけ発展途上国での滞在では感染症のリスクがつきまとう。海外に向かう際にどのような準備や心構えが必要なのか。東京医科大学病院(東京都)渡航者医療センター部長の濱田篤郎教授に聞いた。

 同センターは海外渡航者の健康問題を専門に取り扱い、渡航先に応じたアドバイスやワクチン接種、予防薬の処方などを行っている。濱田教授によれば、日本人の渡航先として1990年代までは欧米諸国への観光や留学が多かったが、2000年代に入ってからは途上国、特にアジア地域を訪れる人が増加。また学生の場合、観光、留学だけでなく、ボランティア目的の渡航も増えており、比例して出国前にセンターへ相談に訪れる人も増加してきたという。

 渡航先を問わず、最もポピュラーな症状が下痢だ。「旅行者下痢症」などと称される。西ヨーロッパからの旅行者を対象に行った調査で、途上国に1カ月間滞在する場合は旅行者の20~60%が発症するというデータがある。魚介類をよく食べる日本人は、より多くの旅行者が見舞われやすいと考えられる。予防のため、海外で水道水を飲まないよう気をつけている人は多いが、盲点になりやすいのが氷。いくらミネラルウオーターを飲んで…

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鈴木敬子

毎日新聞 医療プレミア編集部

すずき・けいこ 1984年茨城県生まれ。法政大卒。2007年毎日新聞社入社。岐阜支局、水戸支局、横浜・川崎支局を経て、15年5月からデジタルメディア局。