実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

「ピロリ菌と除菌」の常識に抱く疑問

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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抗菌薬の過剰使用を考える【14】

 がんを起こす感染症は?と問われれば、あなたはいくつ答えることができるでしょうか。医学生が国家試験の勉強をしている時に、仲間同士でよく出題するクイズの一つです。正解は、B型肝炎ウイルス=肝臓がん、C型肝炎ウイルス=肝臓がん、HPV(のハイリスク型)=子宮頸(けい)がん、EBウイルス=上咽頭(いんとう)がん、HTLV-1=成人T細胞白血病、ヘリコバクター・ピロリ=胃がんです。このなかで最も有名なのはおそらくヘリコバクター・ピロリ(以下「ピロリ菌」)ではないでしょうか。最近は企業の健康診断のほか、地域によっては学校健診や市民健診でも調べられる機会が増えてきています。

 胃に何らかの症状があって医療機関を受診し、ピロリ菌が発見された時のみならず、無症状だが健診で見つか…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト