ボストン発 ウェルエイジング実践術

代替飲料との比較から分かる牛乳の良さ

大西睦子・内科医
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 牛乳の代わりに、豆乳や低脂肪乳などを利用していませんか? でも実際、そういった飲み物の健康への影響はどうなのでしょうか? トロント大学のジョナサン・マグワイア博士らのチーム、ハーバード公衆衛生大学院のキャサリン・ヒューズ博士らのチームの報告などを参考に、牛乳、調整乳(注)や植物性などの代替飲料と、健康の関係について考えてみましょう。

 三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)のうち、二つ(たんぱく質、脂質)を含む牛乳は、育ち盛りの子供にとって定番のヘルシーな食品です。これまでの研究で、毎日牛乳を飲む子供は、飲まない子供よりも背が高いことが示されています。身長は、子供の栄養状態、健康や発達の重要な指標です。

 ところが最近、多くの親が健康にいいと信じて、動物性食品の牛乳を、植物性食品である豆乳、ライスミルク、アーモンドミルクなどの飲料に置き換えています。それによる健康への影響はどうなのでしょうか? 2017年6月7日のアメリカ臨床栄養学ジャーナル(AJCN)のマグワイア博士らの報告によると、植物性の代替飲料を飲んでいる子供は、牛乳を飲む子供よりもやや身長が低いようです。

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大西睦子

内科医

おおにし・むつこ 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。