医療プレミア特集

アウトドアで感染 死を招くリケッチア症

藤野基文・毎日新聞 医療プレミア編集部
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 アウトドアシーズン真っ盛りだが、肌の露出の多い服装で野山に入っている人はいないだろうか。油断をしているとダニにかまれてリケッチア症にかかってしまうかもしれない。日本でかかるリケッチア症は、マダニが媒介する日本紅斑熱とツツガムシが媒介するつつが虫病の2種類。治療が遅れると重症化したり死亡したりすることもある。国立感染症研究所によると2016年は、日本紅斑熱の報告数が過去最高となり、つつが虫病の報告数は16年ぶりに500件を超えた。リケッチア症の実態と予防・治療法を伝える。

 国立感染症研究所の安藤秀二ウイルス第一部第五室長によると、リケッチア症は細菌「リケッチア」による感染症だ。リケッチアには複数の種類がある。日本紅斑熱を引き起こすのは「リケッチア・ジャポニカ」で、ヤマアラシチマダニやフタトゲチマダニ、キチマダニなどのマダニが媒介する。つつが虫病の原因となるのは「オリエンティア・ツツガムシ」。ツツガムシのうち、主にフトゲツツガムシ、タテツツガムシ、アカツツガムシの3種類が媒介すると考えられている。保菌率は種類や生息地域によって異なるが、マダニもツツガムシも数%とみられる。

 マダニは野山や畑、あぜ道などに生息し、葉の先端でウロウロしながら寄生するための哺乳動物が近づくのを待っている。幼虫、若虫、成虫と成長していく過程で1回ずつ哺乳動物の血液を吸う。ツツガムシは土の中で生活していて、他の虫の卵などを食べるが、卵からかえった幼虫の時に1回だけ哺乳動物の体液を吸う。マダニやツツガムシがリケッチアを持っていると、吸着する際にマダニが出す麻酔や接着剤の役割をする分泌液、ツツガ…

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藤野基文

毎日新聞 医療プレミア編集部

ふじの・もとふみ 1977年生まれ。2004年に毎日新聞社入社。甲府支局などを経て、10年から東京本社科学環境部で、医療・医学、環境省、ノーベル賞などを担当。医療・医学分野では、臓器移植、感染症、脳神経科学、再生医療などを取材した。17年4月からデジタルメディア局医療プレミア編集部。