実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

ピロリ菌「全例除菌」を勧めない理由

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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抗菌薬の過剰使用を考える【15】

 多くの日本人が感染しているヘリコバクター・ピロリ(以下「ピロリ菌」)。高齢者のみならず若年者の間でも感染は珍しくなく、しかも無症状であることから集団検診の有用性が指摘され、最近では市民健診や中学生対象の健診でも取り入れられるようになって、早期治療としての「除菌」が普及してきている、というのが前回、解説したポイントです。今回は、その「早期治療」に弊害がないかを検討したいと思います。

 ピロリ菌は細菌学的にはらせん状をしたグラム陰性菌(グラム染色で赤く染まる菌)です。細菌ですから除菌…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト