赤ちゃん学へようこそ

学ぶ、覚える、考える 赤ちゃんの力

鈴木敬子・毎日新聞 医療プレミア編集部
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 連続講座「赤ちゃん学入門講座~ヒトのはじまりを科学で探る~」(同志社大学主催)の内容を紹介する連載第5回のテーマは、「赤ちゃんの『学ぶ』」です。そもそも学習とはどのような現象なのでしょうか。心理学の視点から読み解くとともに、赤ちゃんにとっての学びの意味やメカニズムについて、乙部貴幸・仁愛女子短期大学幼児教育学科准教授が解説します。

 「学習」と聞くと、まず国語、算数、理科、社会といった教科学習を思い浮かべると思いますが、心理学では学習を「一定期間以上続く、経験による行動の変化」と定義しています。例えば、生まれたての赤ちゃんにガラガラを見せても興味を示しませんが、そのうち音が鳴ることに気付き、手を振ってガラガラで遊ぶようになります。つまりガランという音を聞く経験を通して自らの手を振り、自分の行動を変えていくわけです。

 世界は無数の刺激にあふれていて、その中から我々は取捨選択しています。この瞬間、瞬間も何かを選んだ分だけ、何かを選ばないという判断をしているわけです。それは赤ちゃんにとっても同じことです。「できるかできないか」「分かるか分からないか」ではなく、何を選んで何を選ばないのかというのも学習の重要な側面だということを、まず覚えておいてほしいと思います。

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鈴木敬子

毎日新聞 医療プレミア編集部

すずき・けいこ 1984年茨城県生まれ。法政大卒。2007年毎日新聞社入社。岐阜支局、水戸支局、横浜・川崎支局を経て、15年5月からデジタルメディア局。