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保育室が危ない!? 響きすぎる音の悪影響

鈴木敬子・毎日新聞 医療プレミア編集部
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 連続講座「赤ちゃん学入門講座~ヒトのはじまりを科学で探る~」(同志社大学主催)の内容を紹介する連載第6回のテーマは、「赤ちゃんと環境」です。現在の保育環境は多種多様ですが、赤ちゃんの発育を支えるうえで最も必要な環境条件は何でしょうか。特に音の環境に関して配慮すべきことについて、乳幼児の歌唱音声の発達を研究している志村洋子・埼玉大学名誉教授が解説します。

 保育室の環境空間を考える上で、大事な視点は何でしょうか。私は(1)乳幼児が一日の大半を過ごす場所になってきていることから(2)保育室空間、園庭など(部屋の内と外)が果たす要素を知る(3)ハード面とソフト面が共に「保育の質」を支えている--と考えています。日本の保育室は一つの“教室的”な空間で、乳幼児が1日8~12時間程度も過ごしますから、先生たちが子どもの声も含めた感情表出を受け止め、子どもたちが自分の声を聞いてもらえる場であることが大切です。

 (2)は、特に園庭や近隣の公園など、外遊びができる空間がとても大事です。園庭に出た時、自然な温度や湿度を肌で感じ、いろいろな草や木の匂い、光の変化などを受け止める体験が意味を持ちます。にぎやかな保育室から出てくると、耳を休ませることができますし、家庭でできない多様な遊び方を学ぶことができます。それが子どもたちを育んでいきます。しかし、都市や住宅密集地では、近隣住民の迷惑にならないよう「大きな声を…

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鈴木敬子

毎日新聞 医療プレミア編集部

すずき・けいこ 1984年茨城県生まれ。法政大卒。2007年毎日新聞社入社。岐阜支局、水戸支局、横浜・川崎支局を経て、15年5月からデジタルメディア局。