女性のためのおしりのはなし

便秘に悩む女性に潜む 下剤乱用の落とし穴

野澤真木子・日本橋レディースクリニック院長
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 不規則な食生活やダイエット、運動不足などが原因と考えられる便秘に悩む女性は多く、厚生労働省の2016年国民生活基礎調査によれば、女性の20人に1人が便秘です。年齢・性別でみると若年層では女性に多く、60歳を超えると男女共に多くなるといわれています。便秘にはいろいろな原因があるので、ひとくくりにはできませんが、今回は、大腸に器質的疾患(大腸がんなど大腸の病気)がないことを前提にお話しします。

 便秘に悩んでいる方は、安易に下剤を連用し、やめられなくなっている女性も多いです。病院で処方される便秘薬には多くの種類があり、それぞれ、どのような仕組みで作用するかが異なります。大腸を刺激する下剤、便を軟らかくする緩下剤、漢方薬、消化管運動機能改善薬です。一方、市販の便秘薬は、大腸刺激性の成分を含んでいる下剤が多くなっています。頑固な便秘に悩む方は、即効性やすっきり感を求めることが多く、市販の大腸刺激性下剤(センナや大黄など)を連用されている人が多いようです。

 このタイプの薬は、大腸の神経に作用して腸管の蠕動(ぜんどう)運動を引き起こすことで便の排出を促します。そのため、下痢状になることが多く、腸管の強い収縮運動に伴って腹痛を生じる場合もあります。どうしても便が出にくい時に一時的に使うのは問題ないでしょう。しかし、注意したいのは、大腸刺激性下剤は長期間連用することで効果が減弱し、習慣化することもあるため、使用しているうちに内服量が増えてしまったり、やめ…

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野澤真木子

日本橋レディースクリニック院長

のざわ・まきこ 杏林大学医学部卒業。杏林大学医学部付属病院第一外科に入局し、消化器外科を専門とする。その後、松島病院大腸肛門病センター、松島ランドマーククリニック院長を経て、2008年4月、女性専門の肛門科胃腸内科として「日本橋レディースクリニック」(東京都中央区)を開設。2013年7月には、おなかやおしりの健康に必要な「食」の提案を行う拠点として、クリニックと同じビルに「フローラカフェ by NLC」を併設、普段の食生活を見直しながら腸内環境を整え、病気を予防する試みを紹介している。日本大腸肛門病学会専門医、日本大腸肛門病学会指導医、日本外科学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器外科学会認定医、日本医師会認定産業医。