Dr.林のこころと脳と病と健康

やめてもなおつきまとう覚醒剤の妄想

林公一・精神科医
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絵=画家・絵師 OZ-尾頭-山口佳祐(http://oz-te.com)
絵=画家・絵師 OZ-尾頭-山口佳祐(http://oz-te.com)

妄想をめぐって【4】

 妄想は覚醒剤が原因で現れることもあります。23歳の男子大学生は、こんな体験を語っています。

「公開泳がせ捜査の末、射殺される」

 悪いことだと意識しつつも、自分の心の弱さから覚醒剤使用を続けていた僕は、大学の講義で覚醒剤使用がいかに重罪になるかを知って、涙もかれるほど泣いて反省し、もう絶対に覚醒剤はやらないと誓ってきっぱりとやめました。19歳の時でした。

 ところがそのころから、自分が警察に監視されていると思い込むようになったのです。電話をすると警察が盗…

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林公一

精神科医

はやし・きみかず 精神科医、医学博士。著書に「統合失調症という事実」「擬態うつ病/新型うつ病」「名作マンガで精神医学」「虚言癖、嘘つきは病気か」など。ウェブサイト「Dr.林のこころと脳の相談室」は、読者からの質問に林医師が事実を回答するもので、明るい事実・暗い事実・希望の持てる事実・希望の持てない事実を問わず、直截に回答するスタイルを、約20年にわたり継続中。