赤ちゃん学へようこそ

赤ちゃんが話すまでに起きていること

鈴木敬子・毎日新聞 医療プレミア編集部
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 連続講座「赤ちゃん学入門講座~ヒトのはじまりを科学で探る~」(同志社大学主催)の内容を紹介する連載第7回のテーマは、「赤ちゃんの『話す』」です。赤ちゃんが言葉を獲得するメカニズム、養育者や保育者が赤ちゃんに語りかける際の特徴やその意味などについて、麦谷綾子・NTTコミュニケーション科学基礎研究所主任研究員が解説します。

 生後6カ月の赤ちゃんは話すと思いますか? 言葉を話すという意味ではまだですよね。では赤ちゃんが言葉を話しはじめるのはいつでしょうか。1歳前後でいわゆる初語と呼ばれる意味のある単語を話し始め、1歳半くらいになると語彙(ごい)がかなり増え、その後に二つ、三つの単語を組み合わせて「牛乳、ちょうだい」などとお話できるようになります。しかし、初語が出る前の赤ちゃんも、実は話すための下準備を着実に進めているのです。

 赤ちゃんの発する声は段階を追って発達していきます。私たちが言葉を話す時は舌や唇を動かしていろいろな音を作りだすのですが、新生児期はまだ、口の中で舌を自由に動かすことができません。声を出すとしても、いきんだ拍子に母音的な音が出る程度です。それが2~3カ月になると、クーイングと呼ばれる、母音と子音の両方の要素を含んだきれいな声を出し始めます。4~6カ月では、響きは不十分でも母音と子音が組み合わされた…

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鈴木敬子

毎日新聞 医療プレミア編集部

すずき・けいこ 1984年茨城県生まれ。法政大卒。2007年毎日新聞社入社。岐阜支局、水戸支局、横浜・川崎支局を経て、15年5月からデジタルメディア局。