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放置すると連鎖も「いつの間にか骨折」

萩野浩・鳥取大学教授

体の中から知る「骨と筋肉」の痛み【5】

 高齢化が進み、骨粗しょう症が原因で背骨が折れる「脊椎(せきつい)椎体骨折」の患者さんが増えています。この疾患は、骨がもろくなったことにより、じわじわとつぶれるように症状が進行するため、骨折が進んでいる間も痛みを感じないことがあります。骨粗しょう症が原因の痛みを感じない脊椎椎体骨折は、「いつの間にか骨折」と呼ばれており、注意が必要です。骨折は一度起きると連鎖しやすく、周囲の骨も折れやすくなります。静かに進行する、それだけに怖い、骨粗しょう症による脊椎椎体骨折について紹介します。

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鳥取大学教授

はぎの・ひろし 1982年鳥取大学医学部卒業。同学部整形外科助手、講師、付属病院リハビリテーション部長などを経て現在、医学部保健学科教授(付属病院リハビリテーション部長兼務)。専門は骨粗しょう症、関節リウマチ、運動器リハビリテーション。特に骨粗しょう症治療の経験が深く、国際骨粗鬆(しょう)症財団(IOF)アジア太平洋地域代表、日本骨粗鬆症学会理事など要職を務める。保健師、看護師、臨床検査技師などを対象に骨粗しょう症診療のコーディネイター役「骨粗鬆症マネージャー」を養成する日本骨粗鬆症学会のレクチャーコースでは講師役も務める。著書に「骨粗鬆症治療薬の選択と使用法―骨折の連鎖を防ぐために」(南江堂)など。