足のクリニック in 医療プレミア

足ゆびの変形を防ぐ靴の選び方

桑原靖・足のクリニック 表参道院長
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 本格的な夏のシーズンがやって来ました。今年は全国的に特に暑いようです。街ではサンダル姿の人を見かけることが多くなってきました。サンダルを履いていると、人目をひくのが足のゆびです。「足の指が変形し、格好悪くてサンダルは苦手」という人はいませんか? 足のゆびの変形は、関節の曲がり方の違いによって、「ハンマートゥ(hammer toe)」「マレットトゥ(mallet toe)」「クロートゥ(claw toe)」の3種類に分けられます、いずれも一般的な足の疾患です。今回は、これら変形を招く原因とその治療法について、意外に知られていない事実も含めて紹介します。

 足のゆびがなぜ、どのように変形するのかを説明する前に、ゆびが動く仕組みを、筋肉に注目して見ていきましょう。足のゆびの「曲げ」「伸ばし」という二つの動きは、二つの筋肉によって実現しています。指を曲げるための筋肉「長趾(ちょうし)屈筋」、そして伸ばすための筋肉「長趾伸筋」です。長趾屈筋は脛骨(けいこつ、すねの骨)からかかとの内側を経て足の裏側を通り、人さしゆびから小ゆびまでの4本のゆびに向かってそれぞれ伸びています。一方、長趾伸筋は脛骨から足の甲を経て同じく4本のゆびにつながっているという構造です。この二つの筋肉がバランスを保ちながら、ゆびの動きを制御しています。親ゆびに関しては、他のゆびと同じような仕組みで、「長母趾屈筋」と「長母趾伸筋」がバランスを保っています。意識して動かしていない時、ゆびがまっすぐな状態にキープされるのも、二つの筋肉が適切なバランスを取ることで可能になります。

 足のゆびの変形は前述のように3種類ありますが、その違いはゆびの長さと2種類の筋肉の状態によって、ゆびのどの関節に最も強い負荷がかかり変形してしまうかで決まります。

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桑原靖

足のクリニック 表参道院長

くわはら・やすし 2004年、埼玉医科大学医学部形成外科卒業。足に対する悩みを持つ方が多いにも関わらず、足を専門的に診る医療機関はほとんどないという状況に疑問を持ち、2013年、東京・表参道に日本初の足の症状・疾病に特化した「足のクリニック 表参道」(2017年7月に名称変更)を開設。