梅毒の誤解を解く【2】

 梅毒が増えていることを伝える報道が目立ちますが、私の実感は少し違います。世界中で増加の報告があり「増えている」ことは事実だと思いますが、私が院長をつとめる太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)では梅毒の新規感染は過去10年間でほとんど変わっていません。結論から言えば、最近になって急増しているのではなく以前から少なくなかった、というのが今回のポイントです。

 これを説明するために興味深い症例を紹介したいと思います。2000年代後半の話です。

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谷口恭

谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト

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