ER Dr.の救急よもやま話

もう迷わない!救急病院 選び方のポイント

志賀隆・国際医療福祉大准教授/同大病院救急医療部長
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 前回は救急外来で医療従事者とのスムーズなやりとりができるための準備・持ち物について説明しました。しかし、いざ、救急外来で受診しようと決心して準備をしたところで、新たな疑問が立ちはだかります。「どの病院にかかったらいいの?」。それが解消されないと、次のステップに進むことができません。そこで今回は、どのようなポイントに気をつけて受診する病院を決めたらいいのか、救急医の視点から解説します。

 どの病院がいい救急病院なのかは、ウェブサイトなどを見てもわかりにくいのが現状です。それでも、受診のためには病院を選ばなければいけません。選ぶための重要なポイントは(1)独立した救急部門があり、救急専従医がいるか(2)救急専従医には救急科専門医がいるか。若手はいるか(3)救急部門はデータを公開しているか--です。

 救急に来院する患者さんは、急な症状や急なケガ、重症の病気などがあるので、素早い対応を要することが多いですよね。そのために内科や外科などの医師が普段の仕事の片手間に対応するよりは、いざというときに備えて待ち構えている方が望ましいのです。火事が起こったら、さまざまな事件・事故を手がける警察(110番)ではなく、消火が専門の消防(119番)にまず連絡するのと同じ理屈です。

 現在の国の方針では、救急部門を独自に設置した際には病院は赤字を覚悟しないといけないのが現状です。というのは、現行の診療報酬体系では救急医療への配慮はあるものの、救急医を複数雇用できるほどにはなっていないからです。そうした事情にもかかわらず、救急部門を独立させ、専従の医師を配置している病院は「地域医療に貢献する意思が明らかである」ということがわかります。

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志賀隆

国際医療福祉大准教授/同大病院救急医療部長

しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て19年9月から国際医療福祉大学病院救急医療部長(同大医学部救急医学講座准教授)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。