理由を探る認知症ケア

「認知症」でもすべての行動には理由がある

ペホス・認知症ケア・コミュニケーション講師
  • 文字
  • 印刷

「ひょっとして、認知症…?」という不安

 自分の家族と話している時に、つじつまの合わないやりとりがあると、一瞬、不安がよぎります。「気のせいかな」と思ってみたり、「しっかりしてよ~」と笑ってやり過ごしたりしてみても、心のどこかで「もしかして、認知症?」という不安が残ります。

 一方、「しっかりしてよ~」と言われる側も、心の中は笑っていられないくらいざわつくでしょう。自分になにか予期せぬ変化が起きているのではないかという焦りを抱き、「もしかして、認知症?」と1人で不安を抱え続けることになるかもしれません。

 いずれにしても、自分の家族に「認知症」(注1)があるとなれば、ついつい「行方不明になったらどうしよう……」「家族の顔もわからなくなったらどうしよう……」と、大変そうな出来事や場面を想像して、不安になります。また、自分が「認知症」なのではないか?と思えば、「これからどうなるんだろう……」と漠然とした不安に包まれるでしょう。

この記事は有料記事です。

残り2763文字(全文3177文字)

ペホス

認知症ケア・コミュニケーション講師

ペ・ホス(裵鎬洙) 1973年生まれ、兵庫県在住。大学卒業後、訪問入浴サービスを手がける民間会社に入社。その後、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリ、訪問介護、介護老人保健施設などで相談業務に従事。コミュニケーショントレーニングネットワーク(CTN)にて、コーチングやコミュニケーションの各種トレーニングに参加し、かかわる人の内面の「あり方」が、“人”や“場”に与える影響の大きさを実感。それらの経験を元に現在、「認知症ケア・コミュニケーション講師」「認知症ケア・スーパーバイザー」として、介護に携わるさまざまな立場の人に、知識や技術だけでなく「あり方」の大切さの発見を促す研修やコーチングセッションを提供している。著書に「理由を探る認知症ケア 関わり方が180度変わる本」。介護福祉士、介護支援専門員、主任介護支援専門員。アプロクリエイト代表。