口から考える命と心と病

口腔細菌の世界へようこそ

落合邦康・日本大学特任教授
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腸内と同じ密度で細菌がすむ場所

 みなさんは、自分の体の中にすんでいる細菌というと何を連想しますか? 多くの方々は腸内細菌を思い浮かべるのではないでしょうか。確かに腸管内には多くの細菌が生息していますが、われわれの体にはもう1カ所、腸管に引けを取らないほど大量の細菌が生息している場所があるのです。それは、口の中(口腔<こうくう>内)です。口腔内からは、約500~700種類の細菌(口腔細菌)が検出されており、歯磨きなどで口腔ケアが十分できている人は約2000億、十分でない人は約4000億~6000億もの細菌がすんでいます。

 一方、腸管内には約700~1000種類の細菌が、総数500兆~1000兆生息しているといわれていま…

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落合邦康

日本大学特任教授

おちあい・くにやす 1973年、日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)獣医学科卒業。73年に日本大学松戸歯科大学(現・松戸歯学部)で副手(研究助手)となり、口腔(こうくう)細菌の研究を始める。75年に松戸歯学部助手に就任し、78~80年は米国University of Alabama at Birminghamへ留学。82年に歯学博士号を取得した。87年に松戸歯学部講師、2000~05年に明海大歯学部教授、05~15年に日本大学歯学部教授を歴任。15年4月から日本大学歯学部特任教授。エイズやインフルエンザ、アルツハイマー病と歯周病菌の関係、口腔細菌と腸内細菌の関係など、独創的でありながら人々に身近な研究で注目されてきた。著書(監修、共著)に「腸内細菌・口腔細菌と全身疾患」(シーエムシー出版)や「口腔微生物学―感染と免疫―」(学建書院)など。