がんをあきらめない 難敵に挑む医師・患者・家族

頭頸部がん 放射線治療の最前線

福島安紀・医療ライター
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 手術、放射線療法、薬物療法はがんの三大治療と言われています。咽頭(いんとう)がん、喉頭がん、鼻副鼻腔(びふくびくう)がんなど頭頸(とうけい)部のがんに対しては、古くから、機能を温存するために放射線療法が行われてきました。頭頸部領域は、食事の摂取や嗅覚、味覚などにも関わる部分であるだけに、放射線治療を行うにあたり、できるだけ正常な部分には放射線を照射しないように工夫がなされています。頭頸部がんの放射線療法と治療を受ける病院の選び方について、陽子線治療など最先端機器も駆使する国立がん研究センター東病院放射線治療科長の秋元哲夫さんにインタビューしました。

 --頭頸部がんで放射線療法が適しているのはどういう時ですか。

 頭頸部がんには、いろいろな部位があるので一くくりにはできませんが、主に、放射線療法の対象になるのは、上咽頭がん▽中咽頭がん▽下咽頭がん▽喉頭がん▽鼻副鼻腔がん--です。顔なので整容面での変化が起こりやすく、飲食物をのみ込む嚥下(えんげ)や咀嚼(そしゃく)、発声にも関わる場所です。「臓器と機能を温存する」という観点から、頭頸部がんの治療では他のがんより早くから放射線療法の導入が進められてきました。

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。