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偽薬が効いてしまう「プラセボ効果」とは

北澤京子・医療ジャーナリスト/京都薬科大学客員教授
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夫婦の会話

妻「今朝のパンは、銀座の超有名店で買った高級品よ」

夫「どうりでいつもよりおいしいな」

妻「ごめんなさい、実は近所のスーパーで買ったいつものパンでした」

夫「なあんだ。そう言われればいつもと同じ味だよ」

妻「いいかげんな舌ねえ。あなたには明日から、どこのパンでも“銀座の超有名店”って言うわ」

見かけや味は同じでも何かが違う…

 前回紹介したトクホ(特定保健用食品)のランダム化比較試験(RCT)は、被験者をランダムに2群(試験群と対照群)に分けた上で、試験群には「トクホの関与成分を含むお茶」、対照群には「トクホの関与成分を含まないお茶」を飲んでもらい、12週後の腹部の脂肪の面積を比較するというものでした。ここで注目したいのは、試験群と対照群の違いが、「お茶に関与成分が入っているか(いないか)」であり、「関与成分を含むお茶を飲むか(飲まないか)」ではなかった点です。

 このRCTでは、試験群にあたった人も、対照群にあたった人も、「お茶を12週間飲む」という行為自体は…

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北澤京子

医療ジャーナリスト/京都薬科大学客員教授

きたざわ・きょうこ 医療ジャーナリスト、京都薬科大学客員教授。著書に「患者のための医療情報収集ガイド」(ちくま新書)、訳書に「病気の『数字』のウソを見抜く:医者に聞くべき10の質問」(日経BP社)、「過剰診断:健康診断があなたを病気にする」(筑摩書房)