
前回は「社会保険」の枠組みのうち、「公的年金制度」についてお話ししました。 最終回の第12回は、交通事故に遭った時に必要となる費用について説明します。
交通事故リスクはどのぐらい大きいか
健康で若い人は、自分の命が明日なくなるとは思いません。しかし実際には、私のお客さまで、35歳のときに自動車事故で亡くなった男性がいました。小さい子供が2人いて、奥さんは彼の家業を手伝っていました。その知らせを聞いて保険金手続きにうかがったとき、あるはずのない祭壇と遺影を前に、言葉が出ませんでした。死亡とまでいかずとも、けがをしたり、入院したりすることがあるかもしれません。今回は、そんな時に必要なお金について考えます。
まず、交通事故でけがをした場合、どのような費用がかかるのか見ていきます。交通事故のけがの中で最も多いと言われているのが頸椎(けいつい)捻挫、いわゆる「むち打ち症」です。「むち打ち症」と診断された場合、どんな費用が必要になるでしょうか。
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外資系保険会社外交員
しげまつ・わかこ 1980年群馬県生まれ。慶應義塾大学卒業後、2003年に外資系消費財メーカーに就職した後、09年に外資系生命保険会社の外交員に転身。1年目から、同社の「社長杯」に上位入賞、2年目は全女性営業職の中でナンバーワンの成績を収める。高い業績を上げた生命保険・金融サービスの専門職が加入できる国際的な組織、MDRT(Million Dollar Round Table)にも1年目から連続入会を果たしている。現在は相続対策、事業継承などに関するセミナー、講演を企業、医療法人等で行っているほか、「営業職の面白さ、やりがいと、その実践的ノウハウを若い人に伝えたい」と大学での講義も積極的に行っている。