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浄水器を動かせる「原始力発電」で災害時も安心

石蔵文信・大阪大学招へい教授
熊本地震を受けて役場に集まった支援物資。特に水は重要だ=熊本県益城町で2016年4月16日
熊本地震を受けて役場に集まった支援物資。特に水は重要だ=熊本県益城町で2016年4月16日

 毎年のように起こる台風や豪雨の被害、数年に1度起こる大きな地震など、日本では災害にどう対応するかが常に問題だ。

 大災害の死亡者を減らすには、日常の防災対策が大切だが、それでも残念ながら犠牲者が出ることはある。災害で負傷した人は救急隊や自衛隊などが迅速・適切に救助し、医療機関に搬送されるが、むしろ問題なのは健常な人。避難所で災害復旧を待つ人たちの災害関連死に関しては、対策がまだまだ不十分だからだ。

 昨年の熊本地震では、家屋倒壊など地震による直接死は50人だったが、その後ストレスや持病の悪化などで亡くなった震災関連死の人は、熊本県内だけで191人と、直接死の約4倍に達した(2017年9月29日現在)。

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大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。