病気が逃げ出すサプリ指南

医師も使い始めたサプリの効用と限界

丁宗鐵・日本薬科大学学長
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 サプリメント外来、医療用サプリメント……。食品であって、薬ではないサプリメントが医療の中に入り、栄養療法を行うクリニックなどで使われています。一般向けから医療用までサプリメントの利用がこれだけ広がってくると、単純に否定してばかりもいられないでしょう。

 サプリメントは、明治以降に日本の漢方がたどってきた歴史と重なるところがあります。そろそろどのように評価していくのか、どんな目的で使用するのかを考える時期にきていると思います。今後求められることを3回に分けて解説します。

 現在、漢方薬の約90%は、医療用医薬品として医師が使っています。市販されている一般医薬品の漢方薬は10%ほどと少ないのですが、過去には、主に薬局で販売されていた時代があります。

 日本の医療は、明治時代に入ってから西洋医学に大きく転換しました。近代化とともに、医療の主流だった漢方は表舞台から姿を消し、漢方薬は薬局で販売されるものになったのです。医師が処方する薬ではなくなったわけですが、市井の人たちは薬局で漢方薬を買って、使い続けました。それがよく効いたため、使いたいと思う人や漢方薬に興味を示す人が徐々に増えていきました。

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丁宗鐵

日本薬科大学学長

てい・むねてつ 1947年東京生まれ。医学博士。横浜市立大学医学部卒業。同大学大学院医学研究科修了。79年から81年まで米国スローン・ケタリングがん研究所に客員研究員として留学。日本東洋医学会漢方専門医・指導医。北里大学・東洋医学総合研究所研究部門長、東京大学大学院客員教授、東京女子医科大学特任教授を経て現在、日本薬科大学学長、百済診療所院長。近年の著書に「丁先生、漢方って、おもしろいです。」(朝日新聞出版)、「病気がイヤがる暮し方 江戸式健康心得」(春秋社)、「ガンが逃げ出す漢方力」(ヴィレッジブックス)など。