実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

HIV陽性者 就職差別の実態

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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エイズという病を知っていますか?【14】

 最初に事実を述べます。HIV陽性者は昔も今も就職するのが困難です。また、陽性者の多くは現在の職場で感染していることを隠さなければなりません。

 少し古いデータですが、2008年8月から09年1月にかけて、薬害エイズの被害者団体「はばたき福祉事業団」が実施した調査によると、HIV陽性者の23%が感染を理由に離職した経験があります。理由として「不当な理由で解雇された」が9%。つまり、感染していることを告げて(あるいは何らかの事情で発覚して)解雇されたというわけです。同調査では「感染を会社に伝えているか」も問われており、47%が伝えていないと答えています。

 この調査結果を聞いて私は「あれっ?」と感じました。私の実感とかけ離れているからです。私が診ている患…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト