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風疹予防は男性も必要 まずは免疫の有無を確認!

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 妊娠中の女性がかかると、高い確率で胎児に異常が現れるおそれのある風疹(ふうしん)。予防接種の風疹ワクチンを受けたかどうかは世代と性別によって異なり、1回の接種では免疫が不十分な場合も少なくありません。妊婦さんの周囲では男性も確実な風疹予防が必要です。

 風疹は子どもだけでなく、大人もかかる感染症です。患者のせきやくしゃみで飛び散った唾液などから飛沫感染し、発熱、発疹、耳の下から首にかけてのリンパの腫れ、関節の痛みなどが現れます。ほとんどは数日で回復することから、「三日ばしか」と呼ばれることもあります。

 病気自体はそれほど重いものではなく、また一度かかると免疫を獲得するともいわれています。しかし近年、厚労省から繰り返し予防が呼びかけられているのには理由があります。

風疹予防のワクチン接種を呼びかける歌手のクリス・ハートさん=東京都千代田区で2017年
風疹予防のワクチン接種を呼びかける歌手のクリス・ハートさん=東京都千代田区で2017年

 まず、妊娠中の女性が感染すると、胎児にかなり高い確率で影響を及ぼし、障害を残す可能性があること。また、予防ワクチンが定着したと思われていても、感染が広がるほど大きな流行を繰り返しているからです。

 風疹の感染力はインフルエンザの2~4倍。近年でも2012~13年にかけて患者数が1万4000人以上になる流行がありました。このときは20~40代の男性を中心に広がったといわれますが、大きな理由として、この年代の男性に風疹ワクチンの予防接種が徹底されていなかったことが挙げられます。

 風疹の予防接種は制度の改正などで、世代と性別によって、接種の有無にはばらつきがあるのです。1962年4月1日以前に生まれた人は男女とも接種はなく、同年4月2日~1979年4月1日生まれの人は女性のみ1回接種がありました。その後、1979年4月2日~1990年4月1日生まれは男女とも1回接種、さらに1990年4月2日以降に生まれた人は個別に医療機関での2回目の接種をすすめられています。

 年代別に自分がどこに該当するのかはわかっても、実際に接種を受けたかどうかの記憶はあいまいなことがありますし、子どものころに風疹にかかったことがあるとしても、免疫の強さには個人差があるといいます。

風疹と麻疹の予防接種
風疹と麻疹の予防接種

 実際に、風疹に対して免疫があるかどうかを知るには、風疹の抗体検査が必要です。抗体検査は血液検査のみで、(1)抗体価が低く風疹に対して免疫がない(2)抗体はあるが感染予防には不十分(3)感染予防に十分な免疫を保有している--のいずれかの判断が下されます。1と2の結果が出た人は、男性でも女性でも風疹ワクチンの接種を受けて風疹を予防し、感染が広がらないようにしましょう。

 現在は、風疹ワクチンと、風疹・麻疹の両方を予防するMRワクチンの2種類が実施されています。風疹の抗体価が低いと麻疹の抗体価も低いことが多いので、混合ワクチンがすすめられています。風疹に対しては風疹ワクチン、MRワクチンいずれも1回の接種で約95%の人が免疫を獲得しますが、2回受けると約99%と、より確実になります。

 早く予防接種を受けたい場合は、抗体検査を省略して接種を受けてもかまいません。とくに妊娠を考えている夫婦の場合は、早めに接種を受けましょう。妊娠中の女性は予防接種を受けられず、また接種を受けてから2カ月は妊娠を避ける必要があるからです。すでに免疫がついている人が重ねて接種を受けても、特別な副反応が起こることはまずありません。

 抗体検査、予防接種を実施する医療機関は最寄りの保健所などでわかります。費用は医療機関によって異なりますが、抗体検査は3000~5000円、MRワクチン1回で約1万円くらいです。妊娠を望む女性には抗体検査を無料で実施する自治体もあるので、お住まいの地域の保健センターなどでたずねてみてください。 

監修:中村クリニック院長 中村理英子

「ケータイ家庭の医学」2017年6月掲載より (C)保健同人社

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