2017年のノーベル賞授賞式が、12月10日に行われました。皆さん、ご覧になりましたか。授賞式の日付は毎年同じで、これはアルフレット・ノーベル氏の命日だからです。「ノーベル賞! 体内時計研究をやさしく解説」で紹介したように、今年は体内時計の研究者が医学生理学賞に選ばれました。私たちも同じ体内時計研究者として、感慨深い授賞式でした。

 さて、今回は日本では国民病としてとらえられている花粉症を代表とするI型アレルギー疾患と、体内時計との関係について説明したいと思います。今回は特別ゲストとして、体内時計とアレルギーの研究を行っている、山梨大学医学部免疫学講座の中村勇規講師に、お話をうかがいました。

 そもそもアレルギーとは何なのでしょうか? 現在の定義では、「アレルギーとは免疫反応に基づく生体に対する全身的または局所的な障害」とされています。難しく書かれていますが、平たく言えば「体を守るための免疫反応が体を傷つけてしまう」ということです。

 アレルギー(Allergy)はギリシャ語のallos(変わった)とergo(反応)から作られた造語で、「(免疫の)変わった反応」という意味で1906年、オーストリアの小児科医、クレメンス・フォン・ピルケによって命名されました。その後、63年に英国の免疫学者フィリップ・ゲルとロビン・クームスによって、関与する免疫関連の細胞や抗体の種類の違いからI~IV型に分類されました。現代の日本で最も代表的なア…

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柴田重信

早稲田大学教授

しばた・しげのぶ 1953年生まれ。九州大学薬学部卒業、薬学研究科博士修了。九州大学助手・助教授、早稲田大学人間科学部教授などを経て、2003年より早稲田大学理工学術院教授。薬学博士。日本時間生物学会理事、時間栄養科学研究会代表。時間軸の健康科学によって健康寿命を延ばす研究に取り組む。専門は時間栄養学、時間運動学とその双方の相乗効果を健康に活かす商品・プログラム開発。田原助教との共著に「Q&Aですらすらわかる体内時計健康法-時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康-」(杏林書院)。

田原優

カリフォルニア大学ロサンゼルス校助教

たはら・ゆう 1985年生まれ。早稲田大学理工学部、同大学大学院先進理工学専攻卒業。博士(理学)。早稲田大学助手を経て、2015年より早稲田大学高等研究所助教、17年1月よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部助教。07年より、柴田重信教授と共に、時間栄養学研究の確立に取り組んできた。また、発光イメージングによるマウス体内時計測定、ストレスによる体内時計調節などの成果も発表している。常にヒトへの応用を意識しながら、最先端の基礎研究を行っている。柴田教授との共著に「Q&Aですらすらわかる体内時計健康法-時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康-」(杏林書院)。