健康をつくる栄養学のキホン

「ダイエットの敵」ではなかった脂質の役割

成田崇信・管理栄養士
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 「太る原因」「コレステロール値を上げる」「ダイエットの敵」など、脂質は健康に良くないイメージを持たれています。確かに、脂質はたんぱく質や糖質よりも高エネルギー。食べ過ぎれば肥満に結びつくという印象が強いのですが、実は体の調子を整える働きも持っています。今回は、上手にとることで健康にも役に立つ脂質の栄養学をお届けします。

 食品に含まれる脂質の多くは中性脂肪です。1gで約9kcalと高いエネルギーを持つので、たんぱく質や糖質に比べて場所をとらずにエネルギーを貯蔵できるメリットがあります。余ったエネルギーは体内で中性脂肪に合成され、脂肪組織に蓄積されます。

 中性脂肪は、三つの脂肪酸が一つにつながった構造をしています。脂肪酸は油脂を構成する成分の一つで、この脂肪酸の種類によって、脂質の性質や栄養素としての働きが変わります。植物油の代表格リノール酸や、健康成分として知られる青魚のDHA(ドコサヘキサエン酸)も、脂肪酸の仲間です。

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成田崇信

管理栄養士

なりた・たかのぶ 1975年東京生まれ。社会福祉法人で管理栄養士の仕事をするかたわら、主にブログ「とらねこ日誌」やSNSなどインターネット上で食と健康関連の情報を発信している。栄養学の妥当な知識に基づく食育書「新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK」(内外出版社)を執筆。共著に「各分野の専門家が伝える子どもを守るために知っておきたいこと」(メタモル出版)、監修として「子どもと野菜をなかよしにする図鑑 すごいぞ! やさいーズ」(オレンジページ)などに携わっている。