髪の健康相談室

膠原病は毛が抜けやすくなる代表的な病気

齊藤典充・横浜労災病院皮膚科部長
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 理由がよく分からない脱毛の中で、女性に多い病気が膠原病(こうげんびょう)です。この病気は、自分の体を異物と認識する自己免疫疾患の一つで、体の各部分をつないだり、支えたりしている結合組織が障害される病気です。結合組織は膠原線維から主に作られるため、膠原病とひとくくりにして呼ばれますが、いくつもの病気があり、その中で脱毛が起きやすい代表的なものは、「全身性エリテマトーデス(SLE)」「シェーグレン症候群」などです。

 SLEは、全身の結合組織に炎症が起きる病気で、特に気をつけてほしいと思います。患者は女性が多く、20~30代の若い女性にも発症します。皮膚の症状では、顔の中央から両頬に赤い斑点が現れ、チョウが羽根を広げたように見える「蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)」がよく知られています。

 SLEによる脱毛は、頭皮にも1カ所から数カ所の紅斑が現れその部分の髪の毛が不規則に抜けるタイプと、頭皮に紅斑や赤い発疹は見られず全身状態は良いのに全体的に髪の毛が薄くなるタイプに分けられます。頭皮に紅斑と脱毛が見られる場合は、「円板状エリテマトーデス」ということもあります。

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齊藤典充

横浜労災病院皮膚科部長

さいとう・のりみつ 1993年北里大学卒業、同大学皮膚科に入局。98~2000年米国カリフォルニア大学サンディエゴ校留学。国立横浜病院(現:国立病院機構横浜医療センター)皮膚科、北里大学皮膚科助手、講師、国立病院機構横浜医療センター皮膚科部長などを経て14年4月から現職。専門は脱毛症、血管炎、血行障害。日本皮膚科学会の脱毛症に関する診療ガイドラインの作成に携わるなど、長年、診療の第一線で脱毛治療・研究の分野をリードしている。